社長 野本 真吾さん
会津しこんの鮮魚は、寿司屋で出しているものにもひけを取りません。
「私はお酒は飲まないんですけど、お店で美味しいものを食べるのが好きなので、『美味しい魚が食べたい』と思ったときに、お寿司屋さんに行かなくても美味しい魚が食べられる居酒屋さんがあるといいなと思ってたんです。だから、しこんさんのようなお店があるのは嬉しいし、そこで自分が持っていった魚を出してもらえるのも嬉しいんです」と語るのは、猪苗代町で生鮮食品を扱う株式会社塩染社長の野本さん。以前は飛行機整備の仕事をしており、婿入りしてから生鮮業についての勉強を始めました。
跡を継いだのは5年ほど前。「海のない会津でもっと美味しい魚を食べてもらうにはどうしたらいいんだろう」と悩んだ末に辿り着いたのが、自分の店には在庫を置かず、市場から得意先へ直送する『無在庫流通』という方法。「在庫を置くと、どうしても古いものから出すようになります。味が落ちたものを出すのは申し訳ないですから」。
特に、白身の魚は〆(しめ)てから8~9時間経つと身が締まって美味しくなるため、朝、水槽から揚げて〆た魚を直送し、夕方以降にお店で出すのが時間的にも丁度よいとのこと。更に、魚を〆る際は『活き〆(いきじめ)』という手法を使っており、スーパーなどで大量に仕入れて氷に突っ込むだけの『野〆(のじめ)』とは身の締まりが格段に違います。
赤身の魚にもこだわりがあります。「冷凍ものは仕入れません。船の冷凍庫は-60℃ですが、普通のお店の冷凍庫はせいぜい-20~30℃。-60℃で凍らせたものを-20℃に持ってきたら、その温度差で味が落ちてしまいます」。もともと関東は冷凍もの、東北は冷蔵ものを好む傾向にあるそうですが、それを抜きにした、味へのこだわりがあります。
まったくの畑違いから今の世界に入って、かなり大変だったのでは…と思いきや、「無我夢中だったんで、大変だと思っている暇がなかったですね。楽しく苦労できた、とでも言うんでしょうか。手を抜けば楽だったんでしょうけど、妥協した品物は持っていけませんから」。会津しこんでは、これから先も皆さんに美味しい魚を召し上がっていただけそうです。
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